Research

地域の保険薬局と連携した 「節薬バッグ運動」 の展開とその効果に関する研究

節薬バッグ運動は医療費抑制・患者負担の軽減、薬剤適正使用者の推進を目的とし、残薬の確認とその有効再活用(処方調整)を運動の内容としています。そして、その最終目標は、患者の薬物療法に対する意識と服薬アドヒアランスを高め、残薬・破棄薬の発生を防ぎ、無駄の少ない最適な薬物療法を実現します。また、処方調整(削減)の実態から、アドヒアランス不良と推察される患者の特性、処方・薬剤の特性などを探ります。


新規抗てんかん薬の TDM における血中薬物濃度の同時測定法および投与設計法の確立に関する研究

抗てんかん薬は Therapeutic Drug Monitoring(TDM)による厳密な血中濃度管理とそれに基づいた投与設計を行うことが「抗てんかん薬 TDM 標準化ガイドライン」にて推奨されています。しかし、ペランパネル、ラコサミドなどの新規抗てんかん薬は、医療施設での測定法が十分に確立されておらず、血中濃度をコントロールするための基準や各薬剤の相互作用等に関しても情報が不足している状況です。本研究では、高速液体クロマトグラフ・質量分析を用いた新規抗てんかん薬の一斉測定法を確立し、実際の患者の血中濃度と効果・有害事象・併用薬の情報などを解析することで新規抗てんかん薬の TDM 実施の有用性に関するエビデンスを構築します。


がん化学療法に伴う副作用(末梢神経障害など)の対応策確立に向けたリバース・トランスレーショナルリサーチ

支持療法の発展によりがん化学療法による多くの副作用がマネジメント可能となる中、プラチナ系・タキサン系などの抗がん薬による末梢神経障害(手足のしびれ・感覚異常など)やカペシタビンによる手足症候群(掌、足裏の腫脹、発赤、ひび割れ、落屑など)はいまだに有効な対応策が確立されていません。これらの有害事象は患者の苦痛になるだけではなく、用量規制因子にあたるため減量や投与中止など治療の継続が困難となる症例も少なくありません。それぞれの発現メカニズムの解明とそれに基づいた対応策の確立を、基礎研究と臨床研究の両方から行い、有害事象の少ない安全な抗がん剤治療の実現を目指します。





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